SDガンダムジェネレーションシリーズ
バンダイ
まあまあ(10点) 2010年9月26日 ひっちぃ
戦争物ロボットアニメ「機動戦士ガンダム」シリーズに出てくるロボットのデザインをデフォルメしてアクション型シミュレーションゲームとして仕立て上げられた人気ゲームシリーズから派生した、自分だけのロボット艦隊を編成して戦っていく半ばシミュレーションRPG化した新シリーズへの架け橋的作品。スーパーファミコンのソフト。
任天堂はいままでに色々なハードウェアを出してきた。その中でサテラビューといって衛星を介してゲームや追加データをダウンロードできるものがあった。ただ、専用ハードウェアが高価だったせいかあまり流行らなかった。サテラビュー対応ソフトには受信したデータを保存しておくための子カートリッジ用スロットがついていて、書き換え可能カートリッジだけでなく、専用に作ったROMカートリッジも挿すことができた。そこでバンダイは、追加マップなんかのデータを子カートリッジ用ソフトとして販売していた。
このゲームの最大の特徴は、自分のロボット艦隊を補強していくことが目的になっていること。どうやって補強するのかというと、敵のロボットを捕獲したり、捕獲したロボットを売り払ってお金を得てそのお金で新しいロボットを買ったり、自分のロボットで敵のロボットを倒して経験値を稼いでレベルアップさせてもっと強いロボットにさせたりする。そのために何度も同じマップを選んで戦うことができるから、もはやマップの攻略自体は最終目的ではなくなってしまった。では自分のロボット艦隊を補強していった先に何があるのかというと、子カートリッジに保存して友達の家に持っていって対戦することが出来るようになっている。
マップは原作のストーリーに沿ったものになった。しかし一つ一つの拡張カートリッジには五つぐらいしかマップが収録されていなかった。
戦闘はアクション性がなくなって完全なコマンド方式になった。ロボットを動かして敵に近づけ、攻撃手段を選ぶと攻撃する。敵のロボットのHPを減らすと破壊できる。ロボットは必ず一隻の戦艦に属している。その戦艦を破壊されると白旗を上げて捕獲可能になる。自軍の戦艦の空きスペースに捕獲すると、マップクリア時に好きに出来る。空きスペースがないと捕獲できないので、あんまり自軍を補強してロボットを載せすぎると十分な捕獲ができなくなり、かといって欲張りすぎて空きスペースを多くとりすぎると戦力が足りなくて敵に負けてしまうことになりかねない。
シミュレーションゲームで自軍のユニットをひたすら育てるのが好きな人というのがいて、そういう人にとってはやりがいのあるゲームだと思う。しかし、頭を使って敵に勝つのが好きな一般的なシミュレーションゲーム好きにとっては、自軍が強くなるにつれてやりがいがなくなっていってつまらなくなる。友達と対戦するという目的があるものの、こういうゲームが好きな人っていうのはそんなにいないので対戦相手に困るし、対戦したところで果たして楽しいのかとも思う。
Wikipediaで確認してみたらなんとこのソフト、独立した項目としては載っていなかった。スーパーファミコンの時代が終わりかけていた時期だということもあって、このゲームをやった人は少ないと思う。私は発売されてからしばらくして拡張ソフト込みで投売りされていたのを買ったので安く手に入れたのだけど、事実上の前作「SDガンダムGNEXT」が13,440円(税別)もしたらしいから、このソフトも拡張カートリッジを含めればそのぐらいはしたと思う。この程度の内容でこれは高すぎた。
そんな未消化なシステムと不遇な状況のあったこのゲームだけれど、その後に生まれるG-GENERATIONシリーズの土台になった。
いまこのソフトをやる価値はあるのかというと、G-GENERATIONシリーズがほとんど同じ趣向で進化し続けているので、あえてこのソフトで遊ぶことはない。なにせ2009年にシリーズ最新作がWiiとプレイステーション2用のソフトとして発売されているぐらいなのだから。シリーズでいくつも作品が出ていて、それぞれ違っていたりするのだけど、基本的なシステムというかゲームの本質は変わっていない。
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