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シヴィライゼーション4
FIRAXIS GAMES
傑作(30点) 2009年1月1日 ひっちぃ
本当の意味での戦略レベルのプレイが求められるストラテジーゲームの最高傑作と謳われるシヴィライゼーションシリーズの第四弾。基本的なシステムはそのままに、今回初めて3D化されたほか、プレイアビリティを上げるガイドや自動化の強化、洗練されたテクノロジー体系、見えやすくなったAIの思考、宗教や政治体制の選択の幅など、確実に進化しつづける現時点での最新作。
買ってしばらく放置して3のほうの難易度:国王に挑戦してやっと勝利したのでこの4に取り掛かり、4も国王勝利を目指すまでがんばるつもりだったが、どうしても勝てないので諦めてレビューを書くことにした。
今回私の中で一番嬉しかったのは、AIの思考が分かりやすく表示されるようになったことだ。交易や技術交換、戦争や宗教の違いなどの各要素ごとに数値がプラスマイナスで表示される。どこの文明と仲が良いとか悪いとかがハッキリ分かる。前作では自国から随分遠い国からいきなり宣戦布告されて理不尽な思いをしたが、本作ではある程度分かるようになった。とはいってもやはり相手の標的にされたら遠くても攻撃されることには変わりないのだが。
どんな資源が取れるのかマップ画面で表示されるのも嬉しい。カーソルを動かすごとに表示される情報も増えて見やすくなった。哨戒(探検)を自動化できるようになったのも嬉しい。戦略に集中できるようになった。随分プレイがしやすくなった。
宗教が大きくフィーチャーされている。仏教、ヒンズー教、ユダヤ教が初期三大宗教で、そのあとキリスト教、イスラム教、儒教までは分かるが、道教が入っていることに首を傾げる。合計七つ。製作者側がわざわざ説明書でコメントしているように、宗教ごとの違いはまったくない。宗教を創始するには特定のテクノロジーを世界で最初に取得すればよい。宗教は外交と内政と財政と技術に大きな影響を与える。創始のほか伝播したものを国教にすることもできる。
偉人ユニットが生まれるようになった。都市で偉人ポイントが一定の数だけたまると生まれる。偉人には大科学者、大技術者、大預言者、大芸術家、大商人の五種類があり、使うと失われ、技術を習得したり、研究拠点の施設を作ったり、文化価値を高めて都市の勢力圏を広げたり、交易で大金を手に入れたり、強力な宗教建築物を建てたりすることができる。偉人ポイントをためるには専門家を配置したり世界遺産(と国内遺産)や社会体制を効率よくしたりする必要があり、新たに戦略を要求されるようになっている。
前作までのプレイヤーが本作で一番戸惑うのは、やたらめったらに都市を増やしすぎるとお金がどんどんなくなって技術研究が進まなくなってしまうことだろう。初期は4都市ぐらいしか維持できない。中盤までに8都市ぐらい確保しないと厳しくなるので、お金の確保が重要になる。そこで労働者に小屋を建てさせまくる小屋経済というテクニックを使うのがセオリーとなっているが、これを自動化で行うことが難しい。
CPUの高難易度がいわゆるインチキになっているため、普通にプレイしているとたちまち引き離される。そこでシステムの穴というかポイントを突き詰めてのし上がらなければならない。これだけゲームシステムが素晴らしいのに、強いCPUを作るのは難しいのだろうか。
外交は透明性が出来て遊びやすくなったが、相変わらず理不尽さを感じる造りになっている。八方美人でどの国とも仲良くしようとすると、あいつと手を切れとよその指導者から言われたりする。それを無視するとその国と仲が悪くなっていってしまう。つまり誰と仲良くするのかはっきりさせなければならない。基本は遠交近攻でいいと思うのだが、仲良くしてた遠い国に技術でぶっちぎられて宇宙開発競争に負けたり、接している唯一の国といつのまにか仲良くなってしまい八方塞になったりする(その場合は船で遠くに攻めればいいのだけど…)。
というわけで皇子レベルまでは攻略に成功したが、国王レベルでは歯が立たなかったので投げ出してしまった。皇子レベルがちょうど難易度的に真ん中らしいのでもういいやという気分になれたのだが、やっぱりくやしい気持ちが残る。また今度第五弾が出て買ってからこの第四弾の国王レベルのリベンジとなるのだろうか?w
たぶん全ての世界遺産に3DCGのムービーがついていることに驚いた。最初ワイヤーフレームで描きこまれたあとでシェーディングされていって最終的に水面が波打つアニメーションが入っていて見る価値あり。CPUに先を越される世界遺産のムービーがだいぶ未見だ。
音楽は興味なかったので聴いてない。前作の音楽がなにげに良かったのだが、ほんとBGMって感じだったのであえて聴くほどのこともないかなと思った。
細かいことを言うと、画面の解像度の設定を毎回設定しなおさなければならないことに閉口している。あと君主の名前を入力するときに日本語を入れようとすると変換中の漢字が画面左上に点滅して表示されるだけなのがツラい。
よくも悪くも本シリーズの味であった、敵の君主のすっとぼけた台詞は今回だいぶ控えめになっている。相変わらず口が悪いし翻訳言葉っぽい台詞は変わらず。顔のグラフィックスもポリゴン化したが味が損なわれていない。
本シリーズのファンならプレイして損はないと思う。コーエーの「信長の野望」「三国志」みたいにシリーズごとにシステムがどんどん違うものになっていくわけではないのだが、グラフィックの強化だけにとどまらずプレイにある程度新味がある。特に宗教と偉人とプレイアビリティの向上が大きいので、この新しい作品に挑戦してみるといい。
本シリーズをまだプレイしたことがない人にとっては、より親切になった本作から始めるのもいいと思う。もちろん前作や前々作をやっても問題がないぐらい基本的なシステムは変わっていない。
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コメント
メインテーマがグラミー賞 ひっちぃ 古い話になってしまうけれど、本作品のメインテーマbaba yetuがグラミー賞をもらっているとのこと。
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